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五井野正博士の世界

原発による環境及び人的影響E

初めから想定内の事故だった福島原発事故

一般人になじみの言葉となった「想定内」「想定外」とは?

(前号より)
 ところでこの「想定内」や「想定外」という言葉は、言い訳の別言葉としてテレビ等で連発されて今年の流行語大賞でも取れそうな、一般人にとってなじみの言葉になった。しかし、考えてみるとこの「想定」という言葉はそもそも大学受験の勉強時代に「想定問題集」という形で受験生にはなじみの言葉だったことが思い出されるはずだ。
 つまり、大学入試テストでは過去に似たような問題が繰り返し出題されるために、進学校や進学塾では過去の大学入試試験に出された問題の内容を統計処理し、似たような問題が数多く出題される順に想定問題としてつくり、テクニカルな受験生はそれだけを一生懸命に勉強する。
 そこで、東大を受ける学生の場合、仮に出題問題の80%以上を取ると合格だとすれば、想定問題だけで80%取れる勉強の仕方をする訳である。
 と言うのも、出される問題を全問解答しようとすると(ちなみに私の場合はそうです)、どれだけの範囲でどれだけの量と深さで勉強しなければならないかと考えれば気が遠くなる程、勉強をしなければならないからだ。
 しかも、全問題中何問かは引っ掛けや錯誤、地雷みたいな問題を出すから、どんなにわかっていても、イヤむしろわかっている人ほど間違えてしまうのである。
 あるいは、理数系の場合、最初の第1問に計算が長くかかる問題が出る。何事も第1問から順々に答えを出そうとする人にとっては第1問で長い時間をかけてしまう。そうすると、後の問題は解答する時間がなくなり、あせってしまう(ちなみに私の場合はこのケースである)。
 何しろ、今までの勉強成果がこの一枚のテストで決まってしまうから汗だくだく、心臓がバクバクになって次の問題にそんな精神状態で解答しようとするものだから、次に出てくる問題がたいがいに引っかけ問題や錯誤問題で、焦りのあまりつい引っかかってしまうのだ。
 ところが、「想定問題」だけを勉強してきた受験生は余裕しゃくしゃく、先ず初めに問題を全部読んで、想定問題だけをピックアップし、一つ一つの問題を解答するのにこれは何分、これは何秒と計算して想定問題全部にかかる時間と点数を把握すると即座に合格、もしくはギリギリの合格点数と最初に判断できるのである。これを初動の判断と言うのなら最初からすぐにとりかかってしまうのを初動のミスと言うに違いない。
 菅首相などはこの初動ミスが大きくて、未だに汗だくだく、心臓バクバクで焦りながら原子炉事故問題に取り組んでいるのだろう。しかし既に時間切れで、とっくのとうに不合格の烙印を押されているのだが、首相の職務特権でまだ解答に夢中になっているのである。
 そこで、菅首相が出した結論は、現在福島原発大学の解答中なので、次にすぐ来そうな本命(87%希望)の浜岡原発大学の試験は全科目中止という要請にしたのである。
 それゆえ、想定問題だけを一生懸命勉強して大学に入った人はそのままの思考で大学のテストや国家上級公務員の試験を想定問題だけの解答で合格すれば、当然「想定内」「想定外」だけの思考で問題処理をしようとする訳である。

早くから世界で最も危険な原子炉・浜岡原発の解体処理まで求めていた

 そしてそのまま、官僚になるから東大官僚を中心として「想定外」を連発するのである。そして、ついに東大を中心としていた官僚や御用学者達が信じていた天の声の”「想定内」の安全神話“ が「想定外」の福島原発で崩れた。
 崩れたからには浜岡原発は世界で最も危険な原子炉として再認識された訳である。それゆえ、中部電力は天の声の代表者である首相の要請を国民の声として受けざるを得なかったのであろう。5月10日の朝刊一面に浜岡原発の全炉を数日中に停止するとの発表が掲載された。
 そして、政府は従来のエネルギー対策を白紙に戻すと言った。これはエネルギー対策が原子力に偏向していたのを変えるという事を意味する。しかし、エネルギー対策を変えるとしたとしても、原子炉事故の収束がつかない現状のまま、さらには三陸沖地震の後片付けもまだ終わらない内に次なる東京地震や東海地震の恐怖が襲ってきたならば、安全神話と平和ボケに慣れてきた日本人の精神が確実に混乱を引き起こしてしまうだろう。
 そうなると、政府、官僚は国民から信頼を失い、天(神)からも見放されて最悪の場合は国家の統率が取れなくなって無政府状態になるかもしれないという恐怖を権力者達は感じてきたのではないか?
 そんな状況の中で一つの安全弁、一つの危険防止対策として世界で最も危険な浜岡原発を止めることが日本の総理としての宿命であると菅首相が考えて、周囲もここが花道と同調したのかもしれない。
 もっとも、私は浜岡原発に対し、早くから世界で一番危険な原発として反対運動を起こしてきて、2005 年には、EU環境顧問のモルタワ氏と協力して日本政府にこの原子炉を止めるだけでなく解体処理まで迫っていたのである。
 この時は世界の原子炉の4割を解体してきたというSATの社長をモルタワ氏が引き連れてきたので、私と元毎日新聞のジャーナリストと共に経済産業省や東京電力を訪れ、その責任者達と原子炉の危険性と解体への提言をしてきた。

廃炉となった浜岡原発は福島原発と同じGE製の沸騰水型軽水炉だった

 ところが、彼等官僚たちの反応の遅さや認識不足を見ていると、せまる原子炉事故の回避に間に合わなくなると考え、ちょうど2006年がチェルノブイリ原子炉事故20周年だったので、テレビ局や週刊誌の記者に話しかけて事故のあった4号炉の内部に突入取材を敢行しようとなった。  それは、昨年の3月『ザ・フナイ』2010年5月号で詳しく記したように、2006年3月にチェルノブイリ4号炉内部を取材し、『週刊現代』(写真2)やTBSの筑紫哲也NEWS23(4月24日放映)(写真3)、他でもこの浜岡原発の問題点が指摘されたのである。
 このような運動の成果と言うべきか、政府はやっとこの年(2006年)になって原子炉の耐震設計の見直しを行い、その結果2009年1月に最も危険な浜岡原発1号機、2号機は廃炉となって運転を終了した。
 あとは高度の放射能を帯びた原子炉の解体作業が残るが、この作業は技術的に難しいし、時間も費用もかかる米国の場合はチェルノブイリ4号炉のように石棺の中に永久的に閉じ込めてしまう方法を取るようだ。
 その費用が原発の建設時の2?3倍になると、最近になって米国の電力会社から公表された。つまり、原子力は廃炉の費用までいれたら火力や水力よりも1kw時のコストはベラボウに高くなるのである。
 そして、廃炉となった浜岡原発1号機と2号機は今回、事故を起こした福島原発と同じGE(ジェネラル・エレクトロニック)製の沸騰水型の軽水炉だった。実はこのGEの軽水炉は前々から冷却用パイプのヒビ割れ事故が相次いで、米国の原子力委員会から停止命令を受けていた問題の原子炉だったのである。そして、日本でもこの原子炉の冷却パイプにヒビ割れ事故が1974年から次々と起こった。
 さらに、この原子炉の大きな問題点は燃料棒を入れる圧力容器を覆う格納容器が小さいという問題点があった。それゆえ、冷却装置が働かなければ短時間の内に燃料棒の露出、炉心溶融(メルトダウン)という非常事態が起きてしまうのである。
 福島原発事故は見事にこの欠点通りの結果となった。つまり、初めから想定内の事故だったのである。
 そうなると、何故初めからこのような設計の原子炉を日本が導入したのだろうかと当然疑問が起きるだろう。それには日本の原子力発電を推進した人達の軽率な歴史を知らないと理解しにくいだろう。

(次号へ続く)

              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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