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五井野正博士の世界

ちょっとしたブレイクタイムL

複合生命体の太陽系惑星A

・前回、何でも博士(五井野正博士)のお話で“ヘーゲル天文台”の名前を覚えててくださいと言われたので、“ヘーゲル天文台”を調べてみました。でも、ネットのウィキペディアではジョージ・ヘールに記念した天文台としてヤーキス天文台、ウィルソン山天文台、パロマー天文台の3つの天文台が書かれているのですが、その意味が本当のところよくわからないのです。

 「はいわかりました。ヘール天文台のヘールはジョージ・エラリー・ヘール(1868〜1938年)という人のことです。ヤーキス氏の援助の天文台(1897年設立)ですが、設立したのも天文台の所長もヘール氏ですから、ヘール天文台とも呼ばれたのでしょう。この天文台には当時世界最大の口径40インチ(102cm)の望遠鏡が設置されていたのです。
 その後、ヘール氏はカリフォルニア州のウィルソン山天文台を設立しました。この天文台を設立したのも初代の天文台長もヘール氏ですから、ヘール天文台と呼ばれていたのでしょうね。」

・なるほど、その意味が良くわかりました。ヤーキス天文台とウィルソン山天文台の2つがヘール氏によって設立され、どちらも初代天文台の台長だったから、ヘール天文台とも呼ばれていたのですね。

 「そうですね。実はヘール氏がウィルソン山天文台長になる8年前の1896年に父からもらった口径60インチ(150cm)のガラス円盤がずっと手付かずのまま保管されてあったんですね。そこで、彼はカーネギー協会からの資金援助によって反射鏡を製作するためにそのガラス円盤研磨を2年もかけ、翌年の1908年に世界最大の望遠鏡を完成させてウィルソン山天文台に設置したのです。この写真ですよ。(写真1)」

・すごいですね!!ヘール氏という人は。ヘール氏のお父さんも息子に60インチのガラス円盤をプレゼントするなんて。何でも博士、このガラス円盤ってレンズのことですか?

 「いいえ、反射鏡を作る前の円盤の形をした分厚いガラスのことです。この円盤のガラスを凹形に研磨して背面を銀メッキすると、光を前面に反射しますので反射光の重点を合わせて反射鏡にするのです。それにしても、アメリカというのは発想が面白いですね。つまり、日本だったら完成された望遠鏡を父親が買ってあげるでしょう。
 それに対し、ヘールのお父さんはエレベーター事業でお金持ちになった人ですが、ジョージ、つまり、息子のジョージ・ヘールが欲しいと思うものはその理由さえきちっとしていれば、何でも買ってあげたようです。ですから、きっとジョージが世界一の天文が学者になりたいと言ったのでしょうね。
 すると、父は反射鏡用の世界一大きな円型ガラスを息子の将来の道としてプレゼントする。決して完成されたものをあげない。」

・協力はするが、完成品は自分で完成させなさいという教えですね。

 だから、息子はこの円型のガラスから世界一の天体望遠鏡を製作する夢を将来にわたって見続けるわけですね。その夢を実現することによって偉大な発見をしたり、偉人な人となる・・・素晴らしい教育方法だと思いませんか?」

・素晴らしい教育ですね。ヘール氏の親も教育者として親としても立派ですね。

 「そうでしょうね。息子に世界一の天文学者になって欲しいと願ってプレゼントしたんでしょうね。ヘール氏が父親から円型ガラスをプレゼントされたのが28歳頃で、まもなくヤーキス天文台の初代天文台長になるのですから、きっとその就任祝いにプレゼントされたのでしょう。そして、ヘール氏はこの60インチ天体望遠鏡によって天文学史上最も多くの業績を残すのです。」

・すごいですね。ヘール氏の親も本当に喜んでいたでしょうね。

 「もちろんしょうでしょう。ところが、ヘール氏はこの60インチ天体望遠鏡だけでは物足りなかったのでしょう。1917年に今度は、資産家のフッカー氏の援助の下で100インチ(250cm)の天体望遠鏡を完成させるのです。(写真2)
 そして、この天体望遠鏡はパロマー天文台の200インチ(500cm)の望遠鏡が設置されるまでの約30年間、世界一の座をずっと占めていたのです。すごいでしょう。」

・すごい。ヘール氏の世界一の天体望遠鏡にかける情熱が、何でも博士の話で感じられてきます。すごい努力家ですね。その200インチの望遠鏡もヘール氏が造ったのですか?

 「実はヘール氏がパロマー山にもっと大きな天文台を造ろうと、計画を立て、スポンサーを見つけて1935年に着手するのですが、その3年後に亡くなってしまうのです。そして、天文台が完成したのが1948年。その天文台に世界最大の200インチ天体望遠鏡が設置されたのです。
 そこで、ヘール氏の功績をたたえ、その望遠鏡をヘール望遠鏡と呼び、ウィルソン山天文台とパロマー天文台とを合わせてヘール天文台と呼ばれているのです。」

やっとわかりました。ヘール天文台と3つの天文台との関係が。

 「そうですか。そこでいよいよ前回に続いての火星の話になりますが、ここで前回の話で述べたように今述べたヘール氏と火星の関係の話は重要なのでまずこの話から入りましょう。」

・よろしくお願いします。

 「ヘール氏は天体望遠鏡では常に世界一の人でしたから、どういう人かを説明しましょう。彼は少年時代に自宅の屋上にあった天体望遠鏡で星の観測に親しんでいたんで、天体に関しての向上心が強くあったということがわかりますね。
 これは、今の親が子供に興味を与えるものを何も与えないで、ただ、勉強して成績をあげろと言っているのとは全然違う話です。だから彼はマサチューセッツ工科大学に入り、在学中にスペクロヘリオグラフ、つまり、太陽の光をプリズムに分光して写真に取る装置を発明したのです。
 そして、太陽に光には様々な金属、つまり、元素による発光色があるので彼はカルシウムの光の波長に特性を見出して、その望遠鏡にその色のフィルターをかけて写真撮影をしたのです。それによって天文観測史上初の太陽のプロミネンス(紅炎)の撮影に成功しました。この成果によって24歳でシカゴ大学の助教授になれたのですよ。」

・へぇ、大学生の頃からすごかったんだ。

 「と言うよりも、才能のある人は小学校の頃からその才能に芽生えているのです。私も高校の時は20代で大学の教授になれると思ったし、なりたいと思いました。」

・何でも博士ならなれたでしょう。

 「まあ、日本の制度や環境では実力があっても無理ですね。ところで、話が少し横道にそれましたが、さっき、お話をしたようにそれから4年後にヤーキス天文台を設立して、それから7年後にウィルソン山天文台を設立するのですが、ここで、学生時代に発明したスペクトリオグラフを応用した太陽分光望遠鏡なるものを設置して太陽黒点は温度が低く強い磁界があることを発見するのです。」

・へぇ、そうなんだ。太陽に黒点があるのは知っていましたが、詳しいことまでは知らなかったけどヘール氏が発見したと知ったらがぜん興味が湧きました。

 「そうでしょう。歴史的な英雄伝や物語を知ると身近に感じてもっと知りたくなるでしょう。それと同じように宇宙や天文学に興味がある人はこのヘール氏の話を聞いていくと、一緒になって宇宙の世界に入り込んでいきますよね。
 だから、彼も火星の運河には大変興味があった。あったと言うよりも火星に運河があったと言う話だからこそ火星についての天体観測にどんどんのめり込んでいく訳です。そこで彼は火星が地球にもっとも近づいた1926年にフランク・E・ロス氏と協力して、光の分光の応用から紫外線や赤外線での火星写真に成功するのです。その結果、火星には地球と同じような濃い大気が火星上空に64kmまで覆っていることがわかったのです。
 しかも、自然の水の浸食作用によってできた渓谷や火星の表面温度はかなり温かいことまでわかってきたのです。そして、この頃は無線電信を発明したマルコーニが火星からの電波をキャッチして、火星人からのメッセージと考えていた時代ですから火星とは増々高度な知的生物が存在すると天文学者は確信したわけです。」

 (つづく)


              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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