秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!
五井野正博士の世界

五井野博士×あおぽ編集長 特別対談

ゴッホの心を描いたワールド絵画(2)

・さて、今号も先週号のゴッホの絵の続きです。よろしくお願いします。

 「前号ではタンギー爺さんの肖像画の背景に浮世絵の『芸者長吉』(写真1)の鏡絵が描かれていたことを話しましたね。」

・ハイ、話をして頂きました。ところで、本当に絵が似ていますね。でも絵がたまたま似ているだけで、他の絵画からの可能性もあるのではないかと疑う人もいるかも知れませんので、そこのところの説明をもっと詳しくして頂ければと思います。

 「確かにそういう人がいるかも知れません。でも、ゴッホが描いた『雨中の大橋』の上部(写真2)には”長吉“という漢字が描かれていますね。当時の日本では文字を右から読んでいたので、ゴッホもそれにならって漢字をここでは右側から書いています。」

・確かに右から読むと“内人長吉”と読めます。前にもこのことを先生はあおぽで書いてくれましたね。(あおぽVol・415[2004年6月18日発行])ところが、ゴッホの研究をしている権威者は左から“吉長”と読んで、意味不詳だからゴッホは漢字を知らないと述べていましたよね。それが日本のゴッホ研究の学説になってしまったから困ったものですね。

 「確かに日本のゴッホ研究者が右も左もわからなかったのは情けないことです。ところで、この“長吉”という漢字の問題ですが、ゴッホが集めた浮世絵コレクションの中で長吉という漢字が書かれている浮世絵を探すと『芸者長吉』(写真1)の浮世絵1枚しかなかったのです。
 だから、やはりゴッホはこのことからも『芸者長吉』の鏡絵からタンギー爺さんの背景の絵に写し描いたことが証明されます。となると、次にゴッホはどうしてタンギー爺さんの背景にこの絵を写し描いたのかという問題になりますね。
 そこで、ヒントはゴッホが1887年のパリ時代にこの絵と似たようなもう1枚のタンギー爺さんの肖像画(写真3)の背景画にありますよ。」

・そうですか。でもその前にタンギー爺さんという人はどんな人なのですか?

 「本名はジュリアン・タンギーという人で1873〜92年までモンマルトルのクローゼル通りで画材店を営んでいました。この店にゴッホやモネ、ルノアールやセザンヌなどの今日の印象派(インプレッショニスト=フランスの浮世絵師)と呼ばれた人たちが足繁く通っていたのですよ。」

・へえー名前を聞いただけでも1枚の絵が100億円くらいするような有名な巨匠じゃないですか。

 「まあ、有名な作品だったら100億円以上はするでしょうけど、10号の普通の絵だったら数十億円かな。1号が間違いなく1億円もする人たちですね。でも、当時は売れない画家たちだったのです。
 この店でタンギー爺さんから浮世絵を見せられて、日本は美しい自然を持った芸術の国だと教わるだけでなく、自由で平等で国民も公共心を持っている国民だと彼らはタンギー爺さんから教わっていたのです。
 それによって、彼らは浮世絵の線画や明るい色彩、自由な発想や技法を学んで共同の展覧会を開いていくのです。それが画家の革命になって今日の絵画の主流となっていくのです。」

・確か、先生は昭和60年代から浮世絵と印象派の関係やタンギー爺さんとの関係を講演していましたね。

 「そうです。でも、講演だけではダメですね。そこで、私は平成5年から日本の公立美術館から始まって米国の公立美術館からアルメニアの国立美術館、そしてロシアのエルミタージュ美術館など世界各地の美術館で展覧会を開きました。その時のカタログで(写真4)タンギー爺さんと浮世絵の関係を次のように説明しました。
 タンギー爺さんは社会主義のパリ・コミューンとして逮捕され迫害された人生の経験を持っている。それだけに絵画の無名な革命家達、つまり浮世絵にみせられたジャポニザン、後の印象派画家達を精神面、物質面で支援し続けた。
 モネ、ルノワール、セザンヌ、ピサロ、ゴーガン、そしてゴッホ達に絵具と交換に彼等の絵とを物々交換する。あるいは売れはしない彼等の絵を委託品として店に飾る。ゴッホの絵も、もちろん展示した。
 そして、遂にタンギーの努力もあって、この店からセザンヌが名声を得て世に出ることになる。ゴッホはタンギー爺さんからジャポニズム(日本主義)を学んだだろうし、彼等印象派の画家達とも知り合うことも出来た。
 それゆえ、ゴッホは1887年の末頃、第二回目の浮世絵展を開き、浮世絵と一緒にタンギー爺さんの肖像画を描いて飾る。 その肖像画の背景を注意して観察すると、中央上に富士、右上に桜、左中に花魁(ゴッホからすると芸者の意味であった)、右下に日本を紹介した本の表紙の絵が描かれている。
 すなわち、富士、桜、芸者、日本なのである。

・なるほど、背景の絵には意味があったのですね。外国人が日本をイメージする時は富士山なんですね。富士山と言えば、先生は日本の象徴である富士山に確か芸術村を作ろうとしたのですよね。

 「そうです。ところが、富士山の5合目や富士五湖はゴミだらけで、結局そこから環境問題に入ってしまいました。」

・先生の環境問題の活動についてはあおぽのVol・809(2012年4月6日発行)からVol・819の間で対談をしました。覚えていますか?

 「もちろん覚えていますよ。昨年でしたね。大企業に空缶のお返し運動で対談は終わったと思いますが、その後は広告によって経営されているマスコミからはシャットアウトの憂き目にあいました。しかし、きちんとした環境問題の解決の答えが出るまでその後も地道な活動を続けていました。」

・大変でしょうね。ところで、企業に空缶のお返し運動をすれば左翼と間違えられませんでしたか?

 「見られたでしょうけど、もちろん違います。それはその人の偏見ですね。でもどういう訳か左翼の人よりも右翼の人から尊敬されて雑誌の取材も色々受けましたよ。ところで、この写真はなんだかわかりますか?」

・暗くて良くわかりませんが電車の中ですか?

 「そうです。電車の中で鐘をモクばさみ(火ばさみ)でチーンとたたくのです。」

・すごいパフォーマンスですね。電車の乗客はビックリしたでしょうね。

 「そりゃあビックリしますよ。でも単なるパフォーマンスだけじゃないのです。当時はタバコの吸い殻をみんなが道路や野山はもちろん、鉄道の駅構内や線路、はては電車の車内にまで吸殻を捨て、足で踏み消していたんですよ。」

・私は先生より年齢が上ですから知っています。(笑)
 今の若い人は知らないでしょうけど、当時はタバコを吸う人はほとんど電車の中でもタバコを吸っていました。
 だから、電車の中はタバコの煙でもうもうとして今では信じられないけど、タバコを電車の床に落として足で踏んづけていたのがかっこ良かった時代だったんです。電車の床は吸殻があちこちいっぱいだったし、駅のホームも線路もタバコの吸い殻だらけでした。でも今は先生のモク拾い運動のおかげで吸殻を捨てる人はいません。日本人は変わったのです。

 「でも、江戸時代の日本人は公共心がありましたから自然を汚さなかったけど、今の日本は西欧から来た資本主義社会ですから、ともかく企業は利益が第一優先になって公共心がないですね。」

・そういえば、昨日、オーストラリアのシドニーのオリンピック公園でタバコのポイ捨てが原因で大火災が発生し、車80台が炎に巻かれてその内の47台が全焼したというニュースが入りましたけど、オーストラリアもタバコのポイ捨て問題を解決していくには法律か、もしくは先生みたいな人が出てくるしかないでしょうね。


              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!
秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!
株式会社 青いポスト二十一
〒010-0925 秋田市旭南3丁目2-67 >>アクセスマップ
TEL:018-865-6383  FAX:018-863-2304  >>お問い合わせメールフォーム
Copyright (c) 青いポスト21. All Rights Reserved.
秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!