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ジャーナリスト 恩田勝亘 特別寄稿

特定秘密保護法は原発とTPP隠し

 安倍首相は何を焦っているのだろうか。反対世論が沸騰しているなかで安倍内閣は11月26日、特定秘密保護法案を衆院で強行採決により可決した。当初は野党だけではなく与党内にも反対、慎重論があったように、詰めるべき課題が山のようにあるにもかかわらず成立を急いで参院に送った。同法案は政府に不都合なことが「特定秘密」としてフタをされて最長60年、場合によっては永久に閉ざされる。


 特定秘密保護法案のニュースを見聞きしながら、『それは秘密です』という昔の人気テレビ番組を思い出した人もいるのではないか。法案の趣旨は国の安全保障に関連する事項として@防衛A外交Bスパイ活動防止Cテロ活動防止の4項目を挙げ、それに関与する公務員はもとより民間人も対象に秘密漏えいを阻止するもの。同様の秘密を保護する法律は米欧諸国でも定められているように、国益を守る一定の歯止めは必要だ。日本でなぜそれが議論になるのか。最大の問題は政府が指定する「特定秘密」が果して妥当なものか否か、判定する第三者機関が存在しないために時の政権に都合よく使われてしまうからだ。極端にいえば何が秘密なのか「それは秘密です」とばかり、国民は何も知らされないまま取り締まり対象にもされかねない。

 それというのも秘密指定するのは総理大臣を筆頭とする各省庁の大臣や長官だが、先の4項目にはほとんどの省庁が関わることになり、秘密の範囲も関係者も無限に広がる。いい例が原発やTPPだ。

 福島原発事故はいまも進行中なら事故原因の解明も汚染水のたれ流しも止まらない。事故原因について専門家やメディアが調査、取材するうち、もともとの設計、施工の問題に突き当たれば経産省や原子力規制委員会は当然ながら、世界中に数十基もある米ゼネラル・エレクトリック社製原子炉の問題となり、導入に当たって関与した外務省は米国以外にも各国と情報共有しなければならず外交上の問題になる。さらに重要な事故原因としてさまざまな機器の欠陥、あるいは人為的ミスが浮かべば、それは地震や津波時における原発の弱点としてテロリストの攻撃目標になり警察や防衛省にも関わる。汚染水漏れ対策には国交省、文科省、農水省などが関与する。

 そこで問題になるのは、これらに関する情報を政府が不都合と思えば秘密指定する可能性があることだ。フクシマでは文科省が事故後の放射性物質の拡散情報を隠蔽したことにより、福島県下の多くの住民が無駄な被曝をしてしまった。同じことが繰り返されないという保障はない。国会質疑で秘密指定が妥当か否かを判定する第三者機関設置について、安倍首相は「検討する」とは言っても「設置する」と確約はしていない。

 TPP交渉も同じだ。安倍内閣はコメをはじめとする農産品を聖域として守ると言いながら、一部加工米などで部分的妥協を図る動きもしている。それら外交交渉を秘密指定されれば国民が結果を知ったときは後の祭りである。TPPは農産物だけではなく、金融、保険、医療など国民の生活そのものに関わってくる。こんなはずではなかったと気が付いたときは遅い。日本では禁止されている添加物入りの外国食品が関税フリーとなって市場に溢れ、それを厚労省役人が漏らせば当然10年以下の懲役だ。国民のためによかれと思う関係者による内部告発にもブレーキがかかるのは必至だ。

 そればかりではない。報道関係者が秘密指定されている事項について公務員や兵器転用技術をもつ民間企業社員から取材しようとすれば、そそのかしの罪に問われる可能性があるうえ、記事が政府に不都合なら取材方法が正当なものだったか否かを捜査される事態もあり得る。国会審議で森雅子法案担当相の答弁がクルクル変わるように今回の秘密保護法は練られた法案とはいえず、法曹界や言論界が先頭に立って廃案を主張するのは当然だ。

 もしこのまま成立すれば1年後には発効する。安倍内閣が成立を急ぐのは緊急課題の原発とTPPについてのメディアの口封じが狙いではないか。
(完)


              
恩田 勝亘
恩田 勝亘(おんだ かつのぶ) ジャーナリスト
1943年生まれ。'71年より'07年まで講談社「週刊現代」記者として、国内外の政治、経済、社会問題を取材。主テーマの一つが原子力問題。 06年にはチェルノブイリ4号炉中枢に突入。
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