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五井野正博士の世界

原発による環境及び人的影響H

地震の後に起きた放射能汚染

「検証」メルトダウンの過程
核燃料は原子炉停止後も崩壊熱を出し続ける

 2011年3月11日14時46分、三陸沖に発生した東北地方太平洋沖地震で福島原発のある双葉郡は震度6に揺れた。この地震により、福島原発に送電する鉄塔一基が倒壊し、福島第一原発は外部からの電源を失った。発電所内の1?4号機の受電設備も地震で損傷した。
 最大加速度は耐震設計値600ガル近くの550ガルを記録。稼働中の1?3号機は自動停止した。館内は停電し、施設内外に多くの破損が起き、緊急炉心冷却装置(ECCS)が地震で故障。1号機の原子炉につなぐ配管が壊れて汚染蒸気が噴出していたという現場の作業員の証言や、使用済み燃料棒を冷却する貯蔵庫の汚染水が大量に降ってきたとの報告もあり、6?7千人いた作業員は緊急に退避をした。外部電源が失われたため、非常用電源(ディーゼル発電機)が起動した。 
 15時27分に大きな津波の第一波が防波堤を越えて標高10mの丘に建てられた1?4号機の敷地上4?5mの高さまで進入してきた。それによって原子力発電の施設が大きく破壊され、さらに数回にわたって津波が原発を襲い地下室や立坑に浸水した。地下にあった2?4号機の非常用電源は水没し、むきだし状態に設置されていた冷却用海水系ポンプも壊れ、燃料のオイルタンクも流失した。
 15時42分に1?3号機で停電。そのため原子炉は全電源を失う(全電源喪失)。
 16時36分、1号機の緊急炉心冷却装置(ECCS)の冷却水がストップ。
 16時46分、今度は2号機のECCSが作動しなくなった。
 核燃料は原子炉停止後も崩壊熱を出し続けるので、冷却がストップすると燃料棒が過熱して溶融事故(メルトダウン)に繋がってゆく。そうなると、圧力容器の底部に設置された中性子計測管や制御棒を操作する100本以上の配管の上に溶けた核燃料が落ちて高熱でそれらの機器を容易に破壊してしまう。すると、溶けた核燃料は管の穴を伝わって格納容器の底部にどんどん落ちていくことになる。
 そこで、経産省原子力安全・保安院は原子炉が全電源を失った場合の想定推移をシュミレーションして官邸に報告した。それによると、11日22時に「炉内への緊急冷却機能停止」、同22時50分に「炉心露出」、同23時50分に「燃料被覆管破損」、12日0時50分に「燃料溶融」(メルトダウン)が起きると想定。その結果、同3時20分頃に格納容器内にある放射性物質を含んだ蒸気を排出する応急措置「ベント」作業が必要であると説明がされていたようである。
 そのような深刻な事態であるメルトダウンの危険を回避するために、東電は1にも2にもまず冷却水を圧力容器に送り出す電源をまず確保することが急務となり、そこで11日17時頃に東電本社から各支店に電源車を要請した。

緊急事態になぜ作業員は地震の後すぐに避難したのか!?

 以上がざっとSPEEDIがスタートする11日17時までの時間的経緯であるが、まず問題となるのは、このような緊急事態に作業員が地震の後に作業を止めてすぐに退避してしまった事や東電の社員が西日本にその日の内に逃げたという問題であろう。
 本来なら地震や津波で一時的な避難や作業の中止などがあったとしても原子炉を安定し、かつ安全な状態に維持する義務や責任があるはずである。それが、一斉に作業員達が逃げてしまったから、余程の何か重要な事故が起きたとしか考えられないのである。
 その件に関し、写真週刊誌『フライデー』4月8日号では原発で働いている作業員たちの地震直後の証言が色々と掲載されている。その中で地震直後に上司から「逃げろ」という声と共に、周囲からパンパンパンと不気味な破裂音がして5号機からは白煙、遠くの1号機からは黒煙が上がっていたという現場作業員の証言がある。
 また、地震による1号機の電源を回復するためにタービン内で徹夜の仕事をしていた人が明け方に免震棟に戻って放射線測定器を受けたら被曝していた事や、他にも20人位が放射線被曝していた事実が述べられていたが、ここでの被爆という事実が重要なカギとなるだろう。
 と言うのも、その被爆した作業員は放射線測定された後、東京電力の社員から原発周囲が放射能でどんどん汚染されているという事実を知らされたということから、地震の後に1号機から多量の放射性物質が広範囲に漏れたという事実が浮かび上がってくるからだ。
 と言うことは、被爆した作業員が免震棟で放射線測定した時間帯や、その後に東電の人から原発周囲の放射能汚染の進行が知らされた時間はまだ1号機のベントや水素爆発する前の時間帯になる。となると、核燃料から出る放射性物質は原子炉の中に閉じ込められていて原子炉が破壊されていない限り、外部に排出されないはずである。
 ところが、放射能が漏れ出して作業員がすでに被曝していたとするならば、原子炉の中を循環する冷却水か、建屋の上に位置する燃料プールから冷却水が漏れ出し、その水に浸ったかという以外に考えられなくなる。
 しかし、作業員は汚染水には注意しているから触れるということはまずないだろう。となると、原子炉に繋がるパイプが破損し、そこから汚染蒸気が噴出していたと指摘する別な作業員の証言もあることから、1号機の原子炉に繋がっている配管が地震で壊れ、そこから水蒸気がもれたと考えられてくるわけだ。
 水蒸気と言っても圧力容器の中から出てくる水蒸気は放射能を帯びた高温・高圧の水蒸気のため、直ちに原子炉建屋に充満し、やがて圧力容器に入っていた放射性物質と共に外に出てゆくことになる。
 そうすると、1号機だけが2、3号機と比べて何故、炉心露出が早かったのかの謎もついでに解けてくる。つまり、1号機の圧力容器の中に入っていた冷却水が早いうちに破損した配管から外部にもれ出てしまったからと考えられるからである。
 結局、後に私の推理通り原子炉に繋がっているパイプが地震で破損していた事がわかり、その結果、放射能を帯びた水蒸気が建屋内に充満して1時間当たり106ミリシーベルトという強い放射線量が計測されていたことがわかったのである。
 となると、3月11日の17時からスタートしたSPEEDIは放射能汚染水蒸気が原発周辺地域にどのように拡散し、どのくらいの放射線量を示していたかを地図上に計算していたはずである。

国民がパニックになる程の高放射線量がすでに周囲に拡散していた!?

 それが、今までずっと発表できないで隠していたと言うことは政府にとって非常に困るデータになっていた、つまり、後述するように国民がパニックになるほどの高放射線量がすでに周囲に拡散されていたからだと推測できるのである。
 となれば、政府がパニックを危惧するとは逆に、国民の健康と安全のために速やかにSPEEDIの放射線量拡散図を国民に公表して対策を示していなければならないはずだ。というより法令で政府はSPEEDIの情報を国民に公表しなければならなかったのである。
 後に民主党の川内博史議員は「政府が法令に違反してSPEEDIの情報を故意に隠して、住民に無用な放射線被爆をさせたり、健康被害を与えたとするなら重大な政治犯罪になるのではないか」と政府に注言をしている。さらに、川内氏はマスメディアに対しても、この件に関しもっと徹底的に政府の責任を検証すべきだと忠告している。
 では何故、政府は法令違反してまでもSPEEDIの情報を隠し、マスコミはそれを追求しなかったのか!?
 それは政・官・財・学・マスコミが一体となって原発の”安全神話“を作り出し、地震や津波の危険性がある場所に次々と原発を建設してきてしまったことや、日本の総電力の50%をこれから原子力発電でまかなおうとして政府が推進している最中に550ガルの地震規模で原子炉の設備が壊れて周辺に放射能を撒き散らしてしまった事を国民に知らせたくなかったことなどが理由に挙げられるだろう。
 と言うのも、前(763号)に記述したように、今回の東日本大震災は地震の揺れが震源地で4000ガル、4月7日の余震が震源地で2760ガルなのに対し、福島第一原発の場所での地震の揺れが550ガルというのは、数字が一桁違う程の見劣りする地震に見え、その位の地震によって重大な事故が引き起こされたと思われるだけでなく、福島第一原発の想定地震の最大が600ガルだったから想定範囲内の地震となり、政府が想定した耐震性に大きな欠陥が問われてしまうからであろう。

(次号に続く)

              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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