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五井野正博士の世界

原発による環境及び人的影響24

福島第一原発問題の根本原因U

SPEEDIの情報隠しは想定外の事故に対処出来ない事を国民に知られてしまうから

 後に民主党の川内博史議員は「政府が法令に違反してSPEEDIの情報を故意に隠して、住民に無用な放射線被爆をさせたり、健康被害を与えたとするなら重大な政治犯罪になるのではないか」と政府に警告をしている。さらに、川内氏はマスメディアに対しても、この件に関しもっと徹底的に政府の責任を検証すべきだと忠告している。
 では何故、政府は法令違反してまでもSPEEDIの情報を隠したのか!?
 それは政・官・財・学・マスコミが一体となって原発の”安全神話“を作り出し、地震や津波の危険性がある場所に次々と原発を建設してきてしまったことや、日本の総電力の50%をこれから原子力発電でまかなおうとして政府が推進している最中に550ガルの地震規模で原子炉の設備が壊れて周辺に放射能を撒き散らしてしまった事を国民に知らせたくなかったことなどが理由に挙げられるだろう。
 と言うのも、前述したように、今回の東日本大震災は地震の揺れが震源地で4000ガル、4月7日の余震が震源地で2760ガルなのに対し、福島第一原発第1号機の場所での地震の揺れは258から460ガルだったからだ。
 数字が一桁も違う低い地震の揺れで破壊されただけでなく、政府が想定した600ガルという耐震性以下の地震で原子炉が破壊された事実を公にしてしまうと日本全国に立地された他の原発の耐震性にまで波及してしまい、日本の原子力行政全体の大きな問題と化してしまうからであろう。
 すなわち想定内の地震で原子炉がいとも簡単に壊れてしまうという事は、想定外な事が起きたら、もっと大変な事故が起こり、その対処の方法もないという事を国民に明らかにしてしまうからだ。
 例えば、前述した予算委員会で福島みずほ議員が斑目安全委員会委員長に対して、「2007年、平成19年2月16日、浜岡原子力発電所の裁判の証言で、非常用ディーゼル発電機が2個とも起動しない場合に大変なことになるのではないかと質問を受け、そのような事態は想定しない、そのような想定をしたのでは原発は造れない、だから割り切らなければ設計なんてできませんねと言っていますね」と、質問した事に対し、斑目委員長は割り切らなければ設計ができないというのは事実だと認め、それは大多数の原子力の専門家の意見であると答えている。つまり、誰にでも想定出来る事故を原子力安全委員長や原子力の専門家達はそんな事故は想定出来ないし、想定しないで原発を造っていると答えているのである。


大多数の原子力の専門家達は誰にでも想定できる事故を想定しないで原発を造っている

 何とも恐ろしい発言である。それゆえ、冒頭で述べた様に原発事故が起きた以上、全国の原発の安全基準を見直す事は当然の事であり、東電や政府の役人達で出来ないのなら、国の最高責任者である菅前首相が今までの原発に対する安全基準を厳しく点検して、新たな安全基準を定め、組織を改革するのは当然の義務だと言える。
 さらに水素爆発に関して斑目委員長は、水素は格納容器の中に入っていっても酸素がないので爆発しないと菅前首相に述べたと説明した。しかし、現実は非常用ディーゼル発電機が2個とも起動しなかったし、水素爆発も起きてしまった。
 つまり安全委員会だけでなく大多数の原子力の専門家は非常用ディーゼル発電機が2個とも起動しないという想定も、水素爆発するという想定もしていなかったという事から、当然、それが起きた場合の対策を何も考えてこなかったという事になる。
 そんな専門家達が菅前首相のところに集まって対策を講じたって白紙の解答しか出来ないはずだ。ロシアや欧米の学問先進国では国王や大統領直属のアカデミーがあるため、会員たちがこのような緊急時に対して適切な対応を示すから日本みたいな馬鹿な対応は起き得ない。
 結局、彼等の対応策は電源車を緊急に福島原発に派遣して電源を確保するという一時しのぎに終始したから、第一原発を目指して急行している電源車の「○時○分、○○インター帰還」といった情報に首相他、東電、保安院、安全委員会の人達が官邸の5階にある首相執務室で固唾を飲んで見守っているしか能がなかったのである。
 ところが、肝心の電源車が交通渋滞や到着場所間違い等で現場に着くのに5〜7時間もかかり、やっと着いたと思ったら今度は電圧やプラグの形状が違って万事休止となり、この間に1号機は核燃料棒がメルトダウンしてさらに格納容器に落ちるメルトスルーの状態になってしまっていたという大ミスをしてしまったのである。
 その結果、原子炉建屋内で、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されたが、その原因として、東京電力関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認め、核燃料の放射性物質が圧力容器と繋ぐ配管から大量に漏れたためと判断していた。
 そして、前々号(Vol・46)でも述べた様に12日深夜の1時57分に1号機のタービン建屋内で放射線量がさらに上がって、3時45分頃には原子炉建屋に白いもやが発生したため、二重扉を閉鎖するという事態となってしまったのである。


菅前首相の苦言…原発事故の対応は保安院、東電など誰が判断し誰が責任者なのか分らない

 それゆえ1号機の中央制御室で通常の100倍である毎時150マイクロシーベルトのガンマ線、5時頃には原発正門前付近でヨウ素も検出されたと発表されたが、実際は二桁アップの放射線量であっただろう。
 と言うのも、中央制御室でデータ採取をしていた作業員が放射線量が高くなったので簡易性のマスクをして13日まで作業。その間に678ミリシーベルト(内部被爆590ミリシーベルト)の被爆をしていた事が後にわかったからだ。
 つまり、中央制御室の放射線量が毎時150マイクロシーベルトだったならばそこに24時間いた場合の被爆量の計算は

150(μsv)×24(h)=
3600(μsv)=3・6(msv)

となって1日当たりたったの3・6ミリシーベルトにしかならないからだ。つまり、二日間まるっきり中央制御室にいたとしても7・2ミリシーベルトにしかならないから外部被爆678ミリシーベルトという数字と比較すると二桁も低い数字となってしまうからである。
 もちろん、この678ミリシーベルトという数字は12日午後に起きた1号機の水素爆発の放射線の影響かも知れない。それはそれとして1号機の爆発は計り知れない放射線を出したことになる。
 ところで1号機の爆発の一時間前にベントが行われたが、このベントに関しても格納容器の圧力が設計値以上になって菅首相がベントの指示を早い内に出したにも関わらず、半日位経ってやっと行われた経緯がある。
 その理由として放射線が強いため作業員が防護服を着るのに時間がかかったとか、電源が断たれた為に手動に切り替えて行ったが、時間や手間がかなりかかったとか、色々と言われているが、要は原発事故時の訓練が全くされていなかったという事である。
 しかも原発に駆けつけた電源車のプラグや電圧が合わなかった事などは斑目安全委員長が述べた様に二つのディーゼル発電機が働かなかった場合の事は全く想定していない為、自ずとその事故の対処も訓練も全く想定していない、という事につきるだろう。
 原発事故の対応について、菅首相は週刊朝日のインタビューの中で安全委員長は現場を見て判断している訳でもなく、保安院も色々と言うだけで状況を把握していない。東電も伝言ゲームの様に様々な人を介して情報を伝えるから、誰が判断し、誰が責任者だかさっぱりわからないと苦言を述べている。
 それが、福島原発事故の現状なのである。


(次号へ続く)

              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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