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五井野正博士の世界

東日本大震災のゴミ処理問題を考える

話し手・・・五井野正
聞き手・・・石塚由紀子(あおぽ編集長)

 あおぽ809号(4月6日号)で”東日本大震災のゴミ処理問題を考える“と題して、五井野正先生との特別インタビューを行いましたが、次号の予告をしながら掲載しなかったので多くの読者からお叱りや残念の声を受けました事をお詫び致します。実は五井野先生から次号のインタビューは同じくあおぽの広域版で掲載したらとの提案を受けまして、今回に繰り延べた次第です。
 さて、前回はガレキの分別処理の問題から五井野先生が世界で最初のゴミ処理プラントを昭和44年に川崎市に提案し、設置させたことをお聞きしました。今回はその運動の続きを聞きたいと思います。

特別インタビューA

今では道路も河川もゴミがなくきれいになりましたし、空缶や空ビンなどはスーパーなどのお店が専用箱を設置して回収にあたっています。中には電化製品や様々な製品のゴミの回収に企業責任が課せられていますが、昭和40年代の当時はどうだったのでしょう?

 今言われた電化製品や家具などの製品は大型粗大ゴミとして決められた場所に市町村民が捨てる決まりになっていて、週に1度とか月に2度とか定期的な日に清掃局の人が回収に来るんですね。その内にゴミでいっぱいになると市民は山とか谷間とかそういう所に捨ててしまうのです。もちろん、その当時は道路も河川も山もゴミだらけで捨てる人はいても拾う人はほとんどいませんでした。

そうでしたよね、そうするとゴミ問題というか、そもそも空缶リサイクル運動を始めたきっかけは何だったんですか?

 事の始めは、私が北欧のストックホルムの学生ハウスにいた時にスウェーデンの友達から、日本は貧しくてゴミだらけで汚いんだと言われてショックを受けたことです。つまり、その当時の日本は夢の島のゴミ戦争問題がクローズアップされていたし、人々もゴミを平気で野山や道路に捨てていた時代でした。それが海外にもニュースで知られていて、特にスウェーデンではテレビで何度も紹介され、私もテレビで見たことがあります。もし、当時の日本人が北欧に来れば道路も公園もまったくゴミがなく、びっくりする程美しい街と思ったはずです。そこで日本の国を美しく豊かにしてくるとスウェーデンの学生たちと約束したんですね。

それで日本に帰ってきた?

 そう、私が日本に帰るということでスウェーデンの学生たちがお別れパーティーを開いてくれて、その時のみんなとの約束でした。日本に帰ってから、日本の象徴であり、世界の自然遺産である富士山の麓に世界の芸術村を造ろうとしたが、その途端に富士五湖の汚染問題にぶつかってしまいました。

どういう問題ですか?

 つまり、富士山の湧水で透明度の高い忍野八海という池から変形魚が見つかり、そこでウイッピー総合研究所という立場で水質検査を行っていました。すると、地元の人から山中湖、河口湖、西湖、精進湖から穴あき病と呼ばれた変死した大量の魚が毎日のように浜辺に打ち上げられている事を知らされ、原因調査を依頼されたのです。

それで?

 さっそく水質調査に入ると、河口湖の湖底には空カンが山のように積み重なっていることがわかり、湖の水質検査から重金属であるスズイオンが検出されました。その原因として缶の容器のハンダ付けからスズが大量に湖を汚染しているのではないかとまず考えました。
 つまり、重金属は水銀やカドミウムと同じように体内に蓄積して内臓を弱らせていく。そうすると、内臓の免疫力が弱くなって腐敗菌に侵されやすくなる。それで内臓に穴が開いてゆくのです。
 そこで、空缶は環境を汚染するものとして野山や湖川沿いの空缶を地元の人にも呼びかけて回収運動を行うと、山梨日日新聞(昭和49年6月11日)に掲載されました(写真1)。

新聞コピーを重ね合わせた資料の左下の部分ですね。”空缶公害追放へ“と書いてあります。

 そうです、当時は空缶はゴミという認識でしたから、野山や湖川に散乱すれば環境汚染という認識を人々に持ってもらうために空缶公害と言う言葉であえて訴えました。
ところが地元では観光のイメージが落ちるので騒がないでくれといわれました。そこで、東京の渋谷―銀座、新宿―銀座と”歩け歩いて空缶回収運動“を行い、このウイッピー運動を知った朝日新聞の記者が改めて道路上に無数の空缶が捨てられていたのを知って驚き、偶然にも私の誕生日(6月27日)に社会面で大きく取り上げてくれました。(写真2)すると、次の「歩け歩いて空き缶回収運動(6月30日)」には大学生や一般人など30人位が集まり、フジテレビの小川宏ショー(写真3)やTBSテレビニュース(6月30日)、ラジオ(朝のファンファーレ7月1日放送)、週刊誌、月刊誌などが取材に来ました。

スタジオの中の写真ですね。この番組は秋田でもたくさんの人が見たと思います。それにしてもずいぶんと空缶が山とありますね。これ全部その時の回収運動で集めたのですか?

 そうです、今は道路には空缶やゴミが無いでしょうけど当時は多くの人がゴミや空缶を道路に捨てていたのです。こうやって、マスメディアを通して富士五湖の汚染を全国に訴えた後、再び富士五湖の水質調査を行うとスズ以外にもリン酸イオンが国の環境基準をはるかに上回って水深5メートル以下では無酸素状態になっている事がわかりました。
 特に、精進湖の汚染がひどいのでこのままでは魚だけでなく富士の自然自体が死んでしまうと危惧して7月15日早朝に穴あき病で死んだ魚をトラックに積めて、富士五湖の実態を知ってもらおうと環境庁まで出向してアピール行動に出ました。
 この写真(写真4)は環境庁前で死んだ穴あき病の魚をビニール袋に入れて”富士五湖を救え“とか”精進湖は死の湖“と書いたゼッケンを肩にぶら下げて、私はギターを弾き流しながら、同時にハーモニカとカスタネットで音楽を奏でて人々へのアピールを行った時の写真です。
写真はところどころ剥がれて見にくいが当時の様子がわかると思います。

一番左にギターを持った人が先生ですね。ギターとハーモニカは同時にですか?

 そうです。ついでにカスタネットもです。だから音がチンドン屋みたいに目立ちますよ(笑)。
 アピールした後に環境庁の審査官に会い、参考資料を見せながら話し合いました。その結果、環境庁に次年度から予算が付く事になった。すると、山梨日日新聞がこの魚の問題を取り上げてくれました(写真1)。

最初に見た新聞コピーの右上ですね。”精進湖死の湖へ“と書いてある。

 そうです、後に富士五湖の調査を環境庁が行ったところ、私が指摘した通り富士五湖のみならず、琵琶湖や各地の湖沼がスズとリン酸で汚染されている事がわかり、昭和54年頃、有機リン酸問題として新聞、テレビで大騒ぎとなったのです。

家庭から出る有機リン酸洗剤問題ですね。ずいぶんと騒がれていたという記憶があります。

 そうでしょう。ただ、家庭用の洗剤が原因と消費者の責任に転化されたのが問題ですが・・・

(次号に続く)

              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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