ちょっとしたブレイクタイム28
複合生命体の太陽系惑星P
・何でも博士は美術の方も専門だという事でお聞きしたいのですが(ハイ)、先日(3月20日)たった3ドル(約285円)で買った茶碗がサザビーズのオークションで222万ドル(約2億1000万円)の値が付いたという夢のような話が世界中で話題になりましたが、こういう事は日常的にある話ですか?
「イヤ、宝くじと違ってほとんど無いから世界のニュースになる訳ですね(笑)。まず、その茶碗(写真1)は中国の宋の時代(960〜1279年)に造られた連弁紋の定窯の白磁です。定窯というのは、宋時代の5官窯の1つで非常に価値のあるものです。
一般の庶民が同じ夢をみて骨董屋で安く手に入れられる白磁の茶碗となると、民窯の時代の下がった白磁か現代物の白磁のコピー物になってしまうでしょうね。それでも2〜3千円から4〜5万位の値段はするでしょう。
300円もしない値段だったと言うから骨董屋というよりは、ガラクタ屋かそれに近い露天商の店で買ったんでしょう。と言うのも、古くから商売している骨董屋だったら多少の知識と豊富な経験があるから宋の定窯の白磁茶碗とまではわからなくても、それなりの時代のある良い茶碗として高い値段を付けるでしょう。
それにしても、今回の3ドルの件は日本ではほとんどありえないケースだと思います。定窯の本物とわかってからサザビーズはこの茶碗をオークション前に予想価格を20〜30万ドル(約1900〜2850万円)と付けました。ところが予想価格の10倍に成った訳です。」
・予想価格の10倍になったということは何か特別な物だったということですか?
「予想価格というのはオークション会社によってまちまちだと思います。従来の落札価格からの判断で予想価格を決めると思いますが、貴重なものは過去に落札価格のデータが無かった場合や、あっても10年以上前のデータしかない場合は予想価格よりかなり高い値段で落札されることがありす。
今回の場合は同様な茶碗が大英博物館に1個あったというケースですから、ネームバリューと貴重性が重なって高くなったという訳でしょうね。」
・同様な茶碗がもう1つあるんですか?
「ハイ、茶碗というのは今でも5点1組で売っているでしょう。蓮の模様ですからこの茶碗は寺院で1対(組)で使われたかもしれませんね。だから大英博物館のもう1対の茶碗と考えると非常に貴重な物になって、それで欲しい人が4人位いたので競争して高値についたという訳ですね」
・それにしても高いですね。たった1つの茶碗に億の値段が付いたのですから。
「定窯そのものが高いんですよ。ちなみに、それまで定窯で1番高い値段がついて今日まで世界中で話題になっていたものは、2002年11月のサザビーズロンドンオークションで落札された定窯の柿釉のろ瓶ですね。完品は世界でも1つと言われた貴重なものだったので予想価格は18万〜20万ポンドでしたが、落札は約3倍の53万4650ポンドでした。」
・へえ、すごいですね。今で言うといくら位ですか?
「当時だと1億2千万円位ですが、2002年はまだ中国の経済は弱く、中国美術品は全く売れないという不況の頃でしたから、今出品すれば10億円位だと言われています。買ったところは米国のボストン美術館だと噂されています。
ところで、これを持っていた人、つまり出品者は何と日本人なんですよ。実はこの定窯のろ瓶、目玉として、その時のオークションカタログ(写真2)の表紙になっているんですよ。」
・このカタログの中にUtagawaha Monjinkaiと書いてありますね。(写真3)
「そうです。世界中の美術館や学校に1万点以上の江戸時代のオリジナルの浮世絵を寄贈し、エルミタージュ美術館や各国の国立美術館で浮世絵や絵画の展覧会を開いてきたところの歌川派門人会です。」
・今は一般財団法人・歌川派門人会ですね。話に聞くと日本政府は何も援助しないから展覧会や浮世絵寄贈などの会の活動の為に仕方なく売ったという事だそうですね。
「そうです。でも実際には手数料や仲介業者がいて受け取った金額は全然少なかったようです。でも問題は資金だけの問題ではなく、会の活動に対して、特に外務省の中にある宗教団体の組織が海外での展覧会などの活動を妨害ばかりしていたようです。それでなくても外務省は民間の文化団体の海外活動にあまり協力的でないですね。
と言うのも、外務省は官僚主義で、それでいてまともな外交が出来ていないと批判されているようですから、民間団体の外交活動に協力して官民あげての外交活動をすれば良いのに利権喪失を恐れているのか、邪魔ばかりしているという話を良く聞いています。
海外では民間団体の活動に対して政府が好意的なのとは全然逆ですね。政府に出来ないことを民間団体にお願いするという姿勢が必要です。だから、文化だけでなく学術活動に対しても海外では活発に国際交流が行われているのに、日本では海外交流に閉鎖的ですから学術的な新しい情報があまり入ってきません。
特に、最近は宇宙衛星から送られてくる情報がどんどん入ってきて、今までの宇宙観がまったく変わっているのに、日本では学術的にまったく昔のまんまという訳です。ですからここ最近の夏がどんどん暑くなってきていることに対し、CO2 の温暖化のせいだと相変わらず政府の方針通りに従って、夏ボケしている学者やマスコミが多すぎるのです。
実はこの北極海での暑さは星間雲の帯に太陽系が入っているということが原因だと1998年頃からロシア等の学者によって既に分かっていたのです。そしてNASAも2009年に太陽圏の外に出たボイジャー1号と2号の送信データから星間雲の帯を確認して太陽系がプラズマ・ベルトに入っていることをネイチャー誌に発表し、それによって地球を含む惑星がだんだんと熱くなってきていることを確かめていたのです。」