ちょっとしたブレイクタイム42
異常気象と人口削減F
・前号は2週間ぶりの対談だったので待ちわびた読者がたくさんいて驚きましたが、その人たちの反応も非常に良かったです。それにしても、地球温暖化とかエルニーニョ現象とか訳のわからないニュースで地球が異常になってきていると感じて怖い思いをしていた人が多かったのにはビックリしました。ところが、あおぽでは異常気象の原因が昔勉強で習った懐かしい偏西風の話で簡単に説明されていたので、非常に納得したという人がかなりいました。
「そうですか!異常気象も原因がわかったら対処の方法も出てきますね。ところが、矛盾していたり、誤った学者たちの意見をマスコミがそのまま流していると、いつの間にか国民が洗脳されて正しい思考を持てなくなってしまいます。そうすると、人々は自分の意見を言うことができなくなったり学者や政府の考え方が正しいかどうかの判断ができなくなります。」
・どうしてマスコミは誤った学者や政府の話を批判も無く垂れ流すのでしょう。
「うーん、強いて言うとね、それは世界を支配している影の政府にとっては好都合なんですよ。昔は3Sと言ってセックス・スクリーン(映画)・スポーツをマスコミが常時流していれば国民は政治や学問、宗教などに興味を示さなくなってどんどん馬鹿になり、人々をコントロールするには都合が良いということが言われていたのですが、今の日本を見ていると本当にそうなってきましたね。
つまり、学問と言うのは進歩するものであり、研究者の手の中にあるものなんです。それが、今では学問は政府や影の支配者達の世界にある訳ですから、正しい学問に限って言えば、進歩どころか退化している気がします。」
・そうですか。怖い話ですね。ところで、何でも博士、あおぽ872号(平成25年6月21日発行)で三年寝太郎の話が出ましたね。その時、博士は今年の6月に起きたヨーロッパ大洪水が日本でも炎天下の干ばつの後に起きるかもしれませんねと言いましたね。
「ああ!しました。もうその話をしてから1か月以上?40日以上経っているんですね。」
・博士の言った通り、今年は梅雨明けが早くて利根川水系の8つのダムがこの時期としては過去最低となりました。そのため、首都圏が断水制限をしましたね。山形県では断水で旅館や飲食店が休業したり、病院も患者さんの水の確保で問題となりました。
ところが、今度は博士が言ったように一転して山形県に大雨が降って断水は解消されたけど、雨が濁ってしばらく飲用できなかったそうです。そして、7月26日頃からの全国的な大雨で東京名物の隅田川の花火が途中で中止になったり、日本各地に大雨が降って洪水が次々と起きています。
「そうですね。7月26日に東北から九州にかけて局地的な大雨が降りました。特に宮城県では1時間あたり丸森町では86ミリ、気仙沼では84・5ミリでこの場所として気象庁観測以来初めての大雨でした。
27日も東北各県は大雨ですね。福島県石川では1時間に73・5ミリ、秋田県でも東成瀬という所で1時間に49ミリの雨が降って、これもこの場所としては気象庁始まって以来の大雨だったそうです。
もちろん東北だけでなく、関東も栃木県の大田原市では観測史上最多の87ミリ(1時間あたり)、中部地方の新潟県阿賀町でも77ミリ(同)を記録しているのです。
続く今日の7月28日も山口県や島根県では記録的大雨になりました。山口県の萩市では1時間に138・5ミリの雨が降って、これは気象庁の観測始まって以来の大雨なんですよ。」
・すごいですね。と言っても、138・5ミリ(1時間あたり)という数字にはピンとこないので別な表現で言うと、どの位の感じなのでしょうか?
「そうですね、数字を言ってピンとくる人は数が少ないでしょう。では別な言い方をしますと、気象庁は『山口県と島根県ではこれまでに経験の無いような大雨となっています。ただちに命を守る行動を取ってください』と言いましたね。つまり、今までの経験したことが無い位のビックリする大雨だと言うことです。」
・そうですか。分かりました。ところで、ビックリの数字と言うと今日(28日)の新聞(写真1)に、東京電力が7月27日に福島原発の汚染水が放射性セシウムで23億ベクレル検出されたと発表していましたね。その数字ってどうなんでしょう。
それと、福島原発のことに関して国民はもう事故が終わったものとしてすっかり忘れている感じです。でも、実際には原発事故の問題というのは本当に終わったのでしょうか?
「いいえ、実は前と変わらずと言うより、前よりも深刻になっています。」
・え!本当ですか(ハイ)どう言うところが問題なんですか?
「皆さんは福島原発事故が2011年3月に起きたことを知っていますね。それによって福島第一原発の1号機から4号機までが爆発する事故が起きて4つともメルトダウンしました。政府はそのことをずいぶん長い間隠しましたし、マスコミも一部を除いて政府の方針に従って事実を隠しました。
だから、国民は事実を把握していないし、間違った情報ばかりが氾濫しました。政府は問題が起きてもいつも安全だ、心配ないと言い続けてきました。それはそれで社会や国家の混乱を防ぐためには一時的には良いでしょうが、やはり政府は原因をちゃんとつかみ、対応策をキチンとできてから言うべき話だと思います。」
・そうですよね。対策をキチンとして安全にしてから安全だから心配ないというべきですよね。対策ができてなくて安全だと言うのは国民を騙しているのと同じでしょう!?
「そうなりますね。政府の対策と言うのはその場しのぎで、メルトダウンした原子炉や格納容器を冷やすために大量の水を今まで流してきました。その大量の水が汚染水となって海に流れて問題になっている訳です。
ところで、大量の水を”流した“とあえて言ったのは原子炉や格納容器が収まっている建屋の上から”キリン“と呼ばれる放水自動車が多量の水を入れているからで、建屋の上から水が下に流れて、その水がどういう経路で流れて原子炉や格納容器を冷やしているかは実際のところ全くわからないからです。
だから、今までにも格納容器の温度が上がったりしましたが、今月に入って格納容器の圧力が急に高くなったり、温度が上昇したりしている危険な状態が続いているという情報です。
つまり、2号炉や3号炉から光が発したり、白い蒸気のようなものが出たりしている光景がネットで流れています。いずれにしても、放射能が今でも大気中に拡散されているという訳です。」
・そうですか。そうすると、建屋に水がどんどん溜まっていくのと、汚染水が水蒸気となって日本中を汚染する危険が今でもあるという訳ですね。
「その通りです。さらに、汚染水がどんどん溜まるということは構造上から汚染水が建屋の地下道(トレンチ)を通って海に流れていくことになるということです。ですから東電は汚染水を遮断する計画を発表しています(図1)。汚染水が海に流れたという事故は前にもあって、それで大きな問題になりましたね。」
・ハイ、思い出しました。強い放射線を出す汚染水が多量に海に流れたので慌てて出口をゴミで防いだような記憶があります。
「そうですね。実は事故のあった2011年の4月に太平洋に流れた汚染水はセシウム137(半減期30年)で1リットル当たり18億ベクレルだったのです。
ですから、今回の23億ベクレルと言うのはセシウム134(半減期約2年)が7億5千万ベクレル、セシウム137の場合が16億ベクレルですから、当時と比較すると少し放射能が弱くなっているように見えますね。
しかし、現実は今の汚染水と言うのは2年前からの大量の放水と山から流れて来る地下水で薄められての汚染水と言えるから、地下道での1リットルあたり16億ベクレルは当時よりもひどい状況と言うことになります。
しかも、当時よりも大量の汚染水が福島原発内や周辺の地下に溜まっているということは全体量でどれだけのベクレル数の放射能があるか全くわからないという訳です。
しかも、セシウムだけでなく、さらにストロンチウム等の放射線物質も1リットルあたり7億5千万ベクレルもあるのですから、もっと正しく報道するとしたら、”少なくとも1リットルあたり30億ベクレル以上の強い放射線を出す汚染水が福島原発周辺に溜まっている。事故当時よりもひどい状態“と国民にわかりやすく報道すべきです。」
・と言うことは、汚染水を確かフランスの会社が処理を引き受けたと思いますがダメだったと言うことですか?
「そうですね。当時から汚染処理はフランスの会社の方式ではダメだと日刊現代でも取り上げられていましたね。それでも汚染水を処理するのに東電は531億円以上の金を払ったようです。
もちろん、汚染水だけの金です。汚染水処置によって出てくる汚染物質の処理はもっと高額になります。ダメとわかっていてもフランスの国営会社に頼むのは、それによって汚染水の処理や海洋汚染の管理的責任問題をフランスのせいにもできるから費用がいくらかかっても電気料金に上乗せすれば痛くもかゆくもない東電にとって安いということなんでしょう。」