五井野博士×あおぽ編集長 特別対談
放射線の対話講座<2>
・先月号はちょっと秋田市民には難しかったみたいです。いつものようにあおぽを手にしたらすぐに読むという感じではなく、後でじっくり読むというのが感想のようです。でも、大学教授だとか専門家たちはあおぽをファイルして勉強会を開いているようですよ。
「そうですか、嬉しいですね。ちょっと市民には難しいというより家庭の仕事で忙しい主婦の人には普段の生活で忙しくて記号や言葉に慣れていなかったから難しく感じたのかもしれませんね。わかりました。何でも博士のようにやさしく話しましょう。
と言うのも、放射線の基礎知識をキチンと知っていないと政府やマスコミにまた騙されてしまいますからね。ですから、”私たちはもう騙されないぞ“と、”貴方たちよりも知っているぞ“、という市民運動ぐるみの勉強会が必要ですね。」
・そうです。必要です。あおぽの読者もそう思っています。
「ではまず、福島原発事故で日本国民は政府や東電からずっと騙されているショッキングな画像からお見せしましょう。それはこの写真1です。この写真は左側が水素爆発をした1号機です。右側が3号機です。爆発の仕方が違うでしょう。」
・全然違いますね。左側は白い爆発の煙が横に広がっているようですが、3号機は黒い煙が上空の方に上がっています。
「そうですね。水素爆発というのは水素ガスと酸素ガスが瞬時に化合することです。そして、水になります。と言うことは、1号機の方の爆発は白煙みたいに見えますが水蒸気です。しかも、爆発の後は体積が極端に小さくなるから煙は縮む力が働いて広がらないのです。」
・と言うことは、どういうことでしょう。
「ちょっと難しいかも知れませんが、中学生で学んだはずなので思い出しましょう。それに、あおぽの読者には小さいお子さんたちを持つ主婦もいますから一緒になって勉強する気で知ってください。
つまり、水素を化学式で書くとHです。酸素はOですね。そこで、気体の場合は水素ガスはH2になります。酸素ガスの場合もO2になります。
そこで、気体の1モルの体積は22・4リットルという数字を思い出しましたか?」
・ハイ、何となく(笑)
「そこで、水素爆発が起きるには酸素ガス(O2)1モル22・4リットルに対して水素ガス(H2)2モルが必要ですから44・8リットルの水素ガスが必要です。両方で66・4リットルの体積になります。
それが爆発、つまり、化合して2モルの水になるので68グラムつまり、68tの体積に変わってしまいます。」
・1 tの水は1グラムと言うことですね。
「そうです。まあ計算式なんてどうでもいいでしょう。要は66・4リットルが68tになるということですから大体1000分の1くらいに小さくなるということですね。それゆえ、水素爆弾と言っても、縮まった形での爆発になります。ところが、3号機は黒い煙で原子爆弾のように上空の方に上がっていますね。つまり、写真を見ても全然1号機の爆発と3号機の爆発とでは違うでしょう!」
・全然、煙の色も爆発の仕方も違いますね。どうしてでしょう。
「実は3号機は水素爆発ではないのです。政府や東電は一生懸命に3号機も水素爆発と騙しているのです。講演会に来ればその時の爆発の映像を映しますから、それを見れば誰でも何だかわかります。」
・ハイ、わかりました。講演会で聞くとしても単純な質問ですが、水素爆発の時に酸素も同時に建物の中に入っていたのですか?
「建物の中には酸素と言うよりも空気が入っていました。その空気の中の酸素と化合して爆発したのです。」
・空気の中にはどれだけの酸素があるのですか?
「空気中には酸素が1に対して窒素が3と学校で教わってきたと思うけど、実際には図1のようになります。」
・この図だと酸素は23%ですね。しかも、炭酸ガスは0・03%しかないのですか?
「そうです。空気中にはそれ程ありません。むしろ、水分の方が炭酸ガスも3倍以上の1%なので温暖化効果が水分の方が大きいのです。」
・そうなんですか。では何故、温暖化問題に水分の問題を取り上げないんですか?
「それは空気の中に含まれる水分の量は一定値以下なんです。これは学校で飽和という言葉で習ったと思います。つまり、空気中の水分値が一定値を超えると霧とか霜とか雨に変わってしまいます。日常のことですから温暖化の定義には入らないと考えたからです。
だけど、乾燥した空気と湿った空気の場合、同じ温度だと温度が高い場合は湿った空気の方が蒸し暑いと感じるでしょう。つまり、同じ温度であっても、体感温度は違うという訳です。
しかし、ここまでの事は教科書やちょっとした専門家なら誰でも知っている話ですね。 ところが、水分というのは化学式で言うとH2Oのことですが、H+、O2-というようにイオン化しやすいのです。」
・するとどうなんですか?
「水は放射線に当たるとプラスのイオンとマイナスのイオンに分離して空気中に水蒸気となって出ていきます。100℃で沸騰するだけじゃないのです。そこで、放射線が増加すると海水からどんどん水は水蒸気になって強い温暖化効果を働かせます。
例えば、水が温暖効果にどれだけ寄与するかという研究者達によれば、大体の研究者は水が90%以上、二酸化炭素が数%と答える人が多い。それに、CO2(二酸化炭素)は放射線の影響は受けない。ほとんどの電磁波は素通りしてしまいます。
ですから、問題は電離層が破壊されて太陽から来る放射線の量が大きくなっているためにその分水蒸気の量が大きくなっているのです。例えば、最近雨が多いでしょう。」
・そうです。集中豪雨がすごくて秋田市では大丈夫でも、山沿いでは洪水で土砂崩れなどが起きて大変です。
「そうですね。気象庁なども日本近海の海の温度が高くなっているから気温が高くなっているとか、雨が多いとか台風が起こりやすくなっていると発表してますね。(ハイ)
と言うことは、海水の温度が原因という訳でしょう。
つまり、太陽活動が今年は非常に活発な年です。ですから、太陽からの放射線が強くなったのです。その放射線が水を温め、イオン化させて水蒸気となってどんどん温室効果を与えているのです。
しかも、水蒸気が雨となる場合は雨水1グラムで540カロリーの大きな熱を出します。だから、増々気温が上がってくるのです。」
・なる程、だから太陽の光は昔より強いし、ヒリヒリする時もあるし、紫外線がどんどん増加しているから海水温が上昇したり、雨が多くなって気温も上がっていくのですね。