五井野博士×あおぽ編集長 特別対談
ゴッホの心を描いたワールド絵画(5)
・今回はアルメニア共和国に行ったそうですね。アルメニアと言うと私なんかはアルメニアワインを思い出します。と言うのも、アルメニアワインはワインが嫌いな人でも甘くておいしいから大好きになるからです。私もそういう人の一人ですから、アルメニアワインをまた飲みたいと思います。ところで、アルメニアについては前にあおぽで特集しました。
「アルメニアワインの特集?それとも展覧会?のことかな。」
・アルメニア国立美術館での先生の絵の展覧会のことです。『あおぽ』Vol・385(2003年11月7日)に掲載しました。10年以上前のことですから、もう一度当時のことをあおぽの読者のために掲載します。
『人類最初の地、アルメニアで展覧会開催。
平成6年(1994年)6月24日からデンマークで”印象“展を開いている最中に、7月1日から西アジアのアルメニア共和国のアルメニア国立美術館で「ゴッホの浮世絵コレクションと歌川正国」展が同時に開催された。(写真@)
アルメニアは今から50万年前、世界で最古の石器時代の人類が出現した国で、黒曜石を使用する点で同じく日本最古の長野県諏訪市の霧ケ峰遺跡と類似する。
さらにエジプト文明が最古の文明と今まで教科書で教わったが、今ではメソポタミア文明が七千年前と最古の文明となり、その高地に当たる場所がアルメニアで、ノアの箱舟が降り立ったアララット山の麓である。(写真A)
世界最初のキリスト教国家で、世界最初の教会もここに設立されている。
ユダヤ人の先祖に当たるシュメール人の発祥地で、ユダヤ人と同じようにジェノサイド(民族虐殺)の迫害を受け、世界各国にアルメニア民族が散在している。
そのアルメニアはかつて旧ソ連邦に属していたが、ソ連邦が解体されると政治や経済がまだ混乱の中、アルメニア共和国として独立した。
民族の独立心が強いアルメニアが、建国記念として、東洋と西洋を芸術で繋いだゴッホと浮世絵の関係に、関心を持ち「歌川正国(五井野正)とゴッホの浮世絵コレクション」の展覧会の開催を人を通して打診してきたのである。
開館セレモニーだけでも1000人以上の人が押しかけ、会場は人で埋まって身動き出来ない程だった。
開館中、アルメニア国始まって以来の大反響と評判は旧ソ連邦に瞬く間に拡がり、サンクト・ペテルブルグにある世界三代美術館の一つ、ロシア国立エルミタージュ美術館が展覧会の希望をしてきた。(写真B)』
「アルメニア国立美術館での展覧会が平成6年でロシア国立エルミタージュ美術館での展覧会が平成7年だから、もうすぐ20年近くたちますね。時間が過ぎるのは早いなあ。」
・先生は本来なら某宗教団体の妨害がなければエルミタージュ美術館での現存作家として展覧会を開いたと日本の大新聞の一面に掲載されてたでしょうね。そうなっていれば、日本国中で騒がれていた巨匠ですよね。
「巨匠とまで言われているかどうかはわかりませんが、確かに日本でも評価されていたでしょうけど、逆に言えば40年間以上カルト宗教団体からあらゆる妨害を受けながらも屈せずして頑張り通した芸術家という評価の方が人々の心に残されると思うし、描かれた絵も輝くと思います。むしろ、こちらの方が妬まれないで済むかもしれませんね。」
・先生は芸術家だけでなく、世界の歴史に残る天才科学者ですよね。医学の方でも毎年医学の国際会議で心臓病などの治療薬の研究発表をされてこられましたね。(ハイ)
特にヨーロッパ(写真C、D)や旧ソ連(写真E、F)ではガンやエイズ、糖尿病などの驚異的な治療薬の開発と治療効果で新聞やテレビ、ラジオで騒がれた有名な方ですよね。
「確かに各国でGOPは騒がれてきましたが、これは世界を支配するワンワールドの医療制度の中ではものすごく難しい問題なんです。」
・難しい問題というと?
「というのも、医療産業は兵器産業よりも売上では1ケタ大きいトップの大産業ですから、企業論理で言うと、兵器産業の場合は戦争が起きればどんどん儲かりますね。となると、医療産業も病人がどんどん増えれば儲かる商売になっている訳です。
だから病気が本当に治るような薬とか病気にかからないような身体にする薬が発明されたならば、人々や国家としては有難い話ですが、医療産業にとっては全滅になっちゃうような話になる訳ですよ。
最も、全滅とは言わないでも売り上げが少しでも落ちてくれば、利益が落ちて赤字になって倒産してしまう製薬会社も出てきてしまうでしょう。
だから、製薬会社としては薬をどんどん使用してくれればよい訳です。それには薬漬けにするか、あるいは患者がどんどん増えてくれるかしないと困る訳です。
しかも、ワンワールドの支配者たちは世界中の人口を減らしたいのですから、本当に病気を治す薬が開発されたら困るでしょうね。」
・なるほど。だからこの間も、大手製薬会社の薬の実験データがねつ造されていたというニュースが大問題となっていましたね。実際は薬としての効果など無いんですね。
「そういうことになります。もうここまでくると、薬なんて製薬会社の倫理が優先され、医療の姿はどこに行ってしまったのでしょうか、と皆さんも疑問に思ってきますね。」
・本当に困ります。ところで、先生はアルメニアに何の用事で急いで行かれたのですか。
「実は、私の古くからの親友であるメリック博士がすい臓ガンで死にそうだったので急いで助けに行ってきました。」
・え!メリック博士は先生の昔からの協力者ですよね。
「ですから、前回は対談を休ませていただきました。知らせを受けてすぐにアルメニアに出かけたものですから。もし、メリック博士が病院に入ってでもいたら命は助からなかったですね。
と言うのも、白血球が正常値の5分の1以下で、血小板も正常値の5分の1以下、血糖値は20で、すい臓ガンだけでなく肝臓、脾臓にもガンが転移していて、しかもガンが神経を圧迫する痛みで苦しんでいました。
しかも、腎不全に心不全、尿毒症で、両足は炎症を起こして寝たきりの歩行困難でしたからね。病院に入ればすぐに隔離室に入れられて、私たちとはもう面会も出来なかったからです。」
・そりゃー状態がひどいじゃないですか。それでどうなりました。
「日本で特別製のGOPを作ってスタッフとロシア語の通訳者を連れて飛行機ですぐにアルメニアに飛びました。アルメニアは日本人ならアルメニアの飛行場でビザが取れますからね。だから、切符さえ取れればすぐにでもアルメニアに行けるのです。
そこで、10月22日に成田から出発してその日の内にアルメニアに着いてメリック博士の家に着きました。」
・それで、メリック博士はどうでしたか?
(つづく)