五井野博士×あおぽ編集長 特別対談
ゴッホの心を描いたワールド絵画(6)
・前号でお伝えした通り、五井野博士が歌川正国という画号で平成6年7月1日から西アジアのアルメニア共和国のアルメニア国立美術館で「ゴッホの浮世絵コレクションと歌川正国展」が盛大に開かれました。
この時に主催者のアルメニア側で一生懸命協力してくれたのがメリック博士でしたね。それからは先生のアシスタントとして各国の展覧会やGOPの臨床試験の手伝いに大いに活躍するのですね。
「そうです。メリック博士はソ連時代に政府の援助による初めての海外研修に選ばれた化学者です。日本では北里大学の研究室に入り、ガンの抗がん剤を発明して特許を取ったそうですが、その後米国やドイツの研究所で研究生活をしていました。」
・国際的なすごい化学者なんですね。それが五井野先生とどう知り合えたのですか？
「メリック博士は日本の北里大学で長く研究生活をしていましたから、日本の研究者や大学教授と大変に親しい関係になって親日家でした。そこで、アルメニアで日本・アルメニア協会を作って会長をしていました。
だから、展覧会に協力してくれたのですが私は用事あって展覧会に出席できなかったのです。メリック博士は私たちのスタッフから私のことを聞いて特別な印象を受けたようで、私にどうしても会いたいと旧ソ連時代の首相でアルメニア共和国の国立科学アカデミーの総裁であるサーキシャン氏（写真1）と医学教授を連れて日本に来ました。そして、長野県大町市にある私のアトリエで私はメリック博士と初めて会ったという訳です。」
・その時の印象はどうでしたか？
「私はメリック博士と初めて会った時に”私が待っていた人はこの人だ“と一目でピンときましたね。まるで鉄腕アトムの漫画に出てくるお茶ノ水博士という感じでしたよ。
それで、すぐに親しくなってそれからは、私が宇宙物理学の話をチョコンと話すと、メリック博士は非常に驚いて「天才だ天才だ」と感激しては私に抱きついて来たり、握手をしたりしていました。」
・それから先生はアルメニア科学アカデミーの名誉博士号の授賞式を東京で行ったんですよね。
「そうです。その時に北里大学でのメリック博士の恩師である教授やアルメニア言語の研究者でもある山梨学院大学の大学教授の方たちも一緒に名誉博士号をもらいました。と言うのも、アカデミーの博士号は大学院卒業の博士号よりも格が上なんですね。
おかげで、その4か月後に私はロシアのプーシキン国立美術館で「ゴッホが愛した浮世絵と歌川正国展」（写真2）を開きましたが、その時はアカデミーの博士として展覧会が開けたので、教育大臣やロシアの様々な分野でのトップクラスの人たちなど1000名くらいの人たちが開会セレモニーに集まってくれて盛大でした。さらに、アカデミーの博士ということでモスクワの大学でも大学教授や生徒たちに対して講義が出来ました。」
・そうなんですか。そんなに偉い人達が来る程に国立アカデミーの名誉博士号というのはすごいものなんですか？
「そうですね。日本には国立のアカデミーというものがないためにイメージが湧かないと思いますが、博士の博士と言ったらいいのかなあ。例えば、IPS細胞でノーベル賞を取った山中教授がつい最近の新聞ニュースでバチカン科学アカデミーの会員に選ばれたことが記事として載りましたよね。」
・そうなんですか。知りませんでした。
「同じくノーベル賞を取った野依良治氏も受賞後にバチカンのアカデミー会員になっていました。また、作家の大江健三郎氏も1994年にノーベル文学賞を取って、3年後の1997年にアメリカ芸術アカデミーの名誉会員に選ばれました。日本の場合、ノーベル賞を取ってからアカデミー会員に選出されますね。
つまり、ノーベル賞もスウェーデン科学アカデミーの会員が選考してノーベル化学賞や物理学賞を出すのですから、国立や王立アカデミーの外国名誉会員というのはその国ではノーベル賞受賞者と同じ位の最高の地位と権威があるのです。」
・すごいですね。アカデミーの会員というのは。先生は王立や国立アカデミーの会員に色々となっていますね。
「私は芸術や科学の他にGOPという万能薬の発明で医薬学の分野でもスペイン王立薬学アカデミー会員となりましたが、前回で述べたように病気を完全に治してしまう薬というのは国際的な製薬会社にとっては非常に困るのです。
ですから、ガンが治るかも知れない、病気が治るかも知れないと人々が期待するような発見や研究にはノーベル賞を出しても製薬会社は困らないのですが、ガンやエイズなどを治してしまう薬が発明されたら製薬会社にとっては売り上げが落ちて非常に困るのでしょうね。
このようなシステムを作り出したワンワールドと対抗しているのがロシアやアルメニア、そしてスペインですから、私のGOPを認めてアカデミーの会員にしてくれました。王立アカデミーの会員になるとスペイン国王と会うことが出来るし、話も出来るのです。（写真3）
ノーベル賞受賞者はスウェーデン国王とは会えるでしょうが、スペイン国王に会うのにはスペインの王立科学アカデミー会員に選ばれないと難しいでしょう。」
・そうなんですか。アカデミー会員と大学とは段違いなんですね。
「と言うのも、大学というのは文科省の下で管理されていますからね。だから福島の原子力事故でもわかるように大学教授というのは政府の言い分しか言いませんね。何故かというと原発の真実について正しいことを言う人は京都大学の小出さんのように、いつまでたっても教授になれなくて、いわば万年助教という立場にされてしまうからですよ。
つまり、助教というのは助教授という意味ではありませんよ。助教授という職は2007年4月に学校教育法の改正で准教授という名前に変わりました。そのため昔は、教授、助教授、助手の順でしたが、今は教授、准教授、助教となっているのです。」
・と言うと、助教というのは昔の助手みたいなものですか？
「法律的には違いますが、現実的には今までの習慣が残っていて同じような立場だと言えるでしょう。つまり、今まで助手というのは法律的には教授や助教授を助ける者で、教授のように学生たちに授業を教える講座を持ったり出来ませんし、教授の許可なく好きな研究も出来ませんし、独立した研究も出来ません。あくまでも、教授や助教授を助ける者だからです。
つまり、教授や助教授の考え方や命令に逆らったり、助けなかったりしたら学校教育法に違反するという訳で即クビになっても仕方がなかったのです。」
・へえ！そんなこと知らなかった。それじゃあ、ただのお手伝いじゃないですか。そういう人が助教授、教授になっていく訳ですね。
あ、夢中になって話を聞きましたが、もう時間がありません。そこで、読者のために先回りして聞きますが、危篤状態のメリック博士はどうなりました？
「結論から言えばGOPですぐに元気になって今は仕事をしています。詳しくは・・・・・」
・次回ですね。
