ゴッホコレクション【歌川広重編】

ゴッホコレクションの大きな特色は、９割方以上が歌川派の浮世絵で占められていることである。 　浮世絵の基本的要素である彫り、摺り、色といった制作技術面においても頂点の位置にあった歌川派の浮世絵からくる色彩感覚は、ゴッホの強烈な色彩感覚と無関係ではない。 　ゴッホが所有していた４００点以上の浮世絵の中に広重の作品が４７点、その中から５点を選んでみた。

（左から） ■ゴッホ美術館図録No.４１１「東海道五十三対／平塚」 大判錦絵 天保１４年〜弘化２年（１８４３〜１８４５年） 版元／伊勢市 ■ゴッホ美術館図録No.９３「名所江戸百景／亀戸梅屋舗」 大判錦絵 安政４年（１８５７年） 版元／魚屋栄吉

広重の絵が全く売れず無名だった頃、兄弟子である国貞（三代豊国）は広重を世に出すための企画として保永堂版「東海道五十三次」を出し広重は一躍有名になった。 また、広重晩年の大揃い物「名所江戸百景」では、構図、アングル等、現在のカメラマンと同じようなとらえ方の作品もあり驚かされる。

（左から） ■ゴッホ美術館図録No.４２ 「五十三次名所図会・十四／原・愛鷹山不二眺望」 大判錦絵 安政２年（１８５５年） 版元／蔦屋吉蔵（紅英堂） ■ゴッホ美術館図録No.９９ 「富士三十六景／さがみ川」 大判錦絵 安政５年（１８５８年） 版元／鷲屋吉蔵 ■ゴッホ美術館図録No.７３ 「五十三次名所図会・四十五・ 石薬師・義経さくら範頼の祠」 大判錦絵 安政２年（１８５５年） 版元／鷲屋吉蔵（紅英堂）